10月8日のNHKあさイチで緩和ケアについて取り上げていました。
緩和ケアとは
「病気を治すための治療ではなく、病気や治療に伴う心身の苦痛を和らげること」
とあさイチでは説明されていました。
治療を始めた時から、痛みなどのコントロールのほか、心のケア、家族のサポートまでしてくれる。
でもそれは日本では、がんや一部の病気に限られているというのです。
番組では腎臓病で人工透析を受けていた男性が紹介されていました。
病気が進行し、透析をしているときにも体中に痛みがでてきて、余命一か月と言われたときに透析をやめ、奥さんが医師に緩和ケアを受けられないか聞いたそう。
でも「緩和ケア病棟は、がん患者さんじゃないと入れないんです」と言われたというのです。
透析をやめたことで、足先に壊疽(えそ)が進行し、激しい痛みを訴えても十分に処方されず、透析をやめてから10日後に亡くなったとか。
10年以上前に亡くなった私の伯母が、糖尿病で入院していたとき、お見舞いに行ったことがありました。足の指が壊疽して、やはり痛みがひどいようでした。
「なんとかして、なんとかして」とうわごとのように言っていました。
そのときティッシュが欲しいと言われたので渡したら、なんとそれを口の中に入れて飲み込もうとしました!
あわてて看護師さんを呼びに行って処置してもらったんですが、怖かったです。自分で苦しみを終わりにしたかったのかもしれません。
そのことを番組を見て思い出しました。
私自身は乳がんサバイバーです。手術や抗がん剤治療は終わり、ホルモン療法の薬を毎日飲んでいます。
病院に通い始めたころは不安でいっぱいでしたが、看護師さんから「がん相談支援センター」というところが病院内にあるから、
治療のこと、副作用のこと、お金のこと、仕事のこと、家族のことなど不安や悩みがあったら、相談してくださいねと言ってもらいました。
緩和ケアについても、治療を始めた時から受けられると聞いた気がします。
なので今回番組を見て驚いたのです。がん以外の病気では緩和ケアを受けられないなんて。
イギリスやカナダ、オーストラリアなどでは、病気の種類を問わず緩和ケアを受けられるとか。
なぜ日本ではそれができないのか。
日本では、がんで亡くなる方が多いので、がん患者を支える体制が進められてきたけど、ほかの病気では遅れているらしい。
なぜなら、がんなど特定の病気以外は、診療報酬の対象になっていないから。
がん以外の病気と緩和ケアを連携していくこと自体も難しいらしい。
それができる病院もあるけど、ボランティアに頼る部分も大きいということで、現場の方々ももどかしいのではないかと思います。
がんになっても、がん以外の病気になっても、苦しんで最期を迎えたくはありません。
なんとか、すべての患者さんが緩和ケアを受けられるような体制を早く整えてほしいと思いました。
ではまた。

